平行写真という概念について考えている。
ステレオグラムのように左右の目の視差で立体化する写真ではなく、
ステレオグラムのように並んだ写真をそれでも別のものとして捉える事。
パラレルな連続体(あるいは並行世界としての非連続)として捉える事で
その物体の類化された部分が見出されそこから異界への扉が開くのではないかと考える。
同じ写真を二つ並べて、実は別のものなのだという定義をすれば
そこには別化性能的な頭の機能が働いて、違いを見つけ出そうとする。
しかし写真は本当は同じものなので、現実の部分での別化は不可能である。
つまりここで強制的に類化性能の回路が開く。
このやり方は、いわゆるネットミームのマンデラエフェクトを擬似的に発生させるような感覚に近いのかもしれない。
現実として明らかになっている(帰結している)状態のものに対して、
その裏側にある別のパラレルな可能性を示唆するための思考法。
または、写真は、その写真側の視点だけでなく、視点を180度回転させて撮った側に視点を向けることで初めて立体となるといった感覚にもこの平行写真の考えは通づるのかもしれない。
だれも知らない、とった覚えがない、けれども知っている写真。
並行世界のノスタルジイのアタイズム。