パラレル通信

composer/Gaspar Knowsの中のひとり/神楽音楽研究中。 平日は某ゲーム会社にいます 連絡→outtakesrecords@gmail.com

I need a "Kamera"

百年の孤独を読み進める。夏っぽいので昼休みや夕方にベランダで読んでいる。だんだん梅雨になっていくのでちょうど良い気候もだんだん少なくなっていく感じ。

平日に渋谷へギヨームブラックの短編を観に行こうとするが選挙で騒がしいのと天気が悪いので来週に見送る。

休日に思い立って中平卓馬が最後に住んだ街である綱島へ行く。駅前は新しい駅ができていたり結構開発されていて人通りも多い。丘の上にある公園にも子供がいっぱいで東横線沿線の自然が残っているのにやたら人が多い感じでちょっとげんなりする。(武蔵小山とかの林試の森の感じに似てる。構造というより人の層が)

なので、公園は早々に離れて、映画"カメラになった男"の冒頭に写されている早渕川へ行く。当時のままといった寂れた汚い川だが、ここで猫を撮ったり自転車に乗っていた中平卓馬が重なる。都心近くだが結構いい感じのさびれ具合。ただ、千葉と違って神奈川はちょっと都会的な感じもある。駅前近くはちょっと海外イメージの偽物っぽい商店街で、そこにブックオフがあったりする感じが何ともおもしろい。千葉の田舎だと駅から歩かないとブックオフはないことが多く、車文化のかどうかの違いなのかもしれない。なので神奈川の綱島~大倉山付近は結構人手が多くてちょっと疲れる。川沿いもバーベキューをしている人が大量にいて風情がないなーと思ったり、中平卓馬の撮っていた頃とは少し違っているように感じた。

 

早渕川

橋をわたって大倉山記念会館の方まで歩く。この辺りは打って変わって人がいなくて良い。記念会館も丘の上に立っていて周りに森林が鬱蒼と茂っていた。木々の匂いもかなり濃いのでテンションが上がる。坂道がきついけど住んだら楽しそうな街だと思った。昔行った鎌倉の極楽寺あたりもこんな感じだった気がする。

 

 

大倉山記念会館

大倉山記念会館

帰宅して流れで"カメラになった男"とピクシーズの再結成のドキュメンタリーを見る。昨今の似非ドキュメンタリー映画のブームは早く終わってほしいが、こういう誰かのある瞬間を収めたものはブームの中での撮られていてほしいなと思う。ピクシーズの方は結構地獄みたいな状況で、新曲を作るわけでもなく仲が深まるわけでもない、そのままの再結成の様が収められていてその後のキムディールの脱退のことを考えるとなかなかくるものがある。これは何かが生まれる瞬間が収められている映画ではないが、そこに至るまでの困難さを見ることができる。そういう意味ではブッチャーズのドキュメンタリーに近いのかも。壊れる前の不穏さと、壊れるにしてもできるだけそれを伸ばそうと足掻く様がただ撮られている。そこに感動する人もいるかもしれないが、答えなどはなくただ曲ができたりライブが続いたりするのみだ。バンドはそういうものなのかもしれない。それでもやろうとするか、諦めて別の何かにすがるかの違いでどちらが正しいというのではないだろう。

NHKがたまにやる宮崎駿のドキュメンタリーも面白いのでよく見るが、あれは宮崎駿のサービス精神が結構起因して本当に苦しんで何かを捻り出している、かと思えば悩んで苦しんでいたはずが次の日になると一夜で決定的な絵が既に出来上がっていたりと、そんなもんだよなと思う瞬間が多い。君たちはどう生きるかのドキュメンタリーもDVDが出るらしいので購入。ポニョの時みたいにノーカットだったらいいな。NHKの方は普通の編集になっててつまらんかったので。