5日間ほど海外にいた。
飛行機の中でゴジラ-1.0とベイビー・ドライバーを見る。
ゴジラは普通に面白かったけどまあ普通。
海外も同じところに行くと飽きるなと感じる。仕事柄歓迎される側なので何も考えなくていいのは楽だが、日本に帰ってきた時には結構疲れがきた。移動自体が疲れる。
海外中ずっと夏目漱石の行人を読んでいた。これは傑作。虞美人草で社会に帰属した登場人物が自然へと帰るための準備。それが次の"こころ"につながるとおもうと怖い。
二郎の視点で描かれる話は、兄の心のわからなさという配置に置換されてそれだけで効果的な語り方と思う。嫂と二郎の関係性も(元から知り合いだったような記述がある)深くは追われず、ただ人のわからなさというところに執着する。
最初の章の病院のくだりや、美人な看護婦との距離感。美しい流れの文章によってうまく回避される結句点はその浮遊感を持って物語を進行させている。それはもはや物語の換骨奪胎というところまで来ているのかもしれないし、新聞連載という性質上、先が読めない中で紡がれた話のわかなさなのかもしれない。
来週終わると色々決まるので準備をする。近所の公園も草の匂いが溢れていてGWっぽいテンションになっていく。