パラレル通信

composer/Gaspar Knowsの中のひとり/神楽音楽研究中。 平日は某ゲーム会社にいます 連絡→outtakesrecords@gmail.com

Forever Dolphin Love

ジュリアングラッグの森のバルコニーがあまりに良くて読書欲が復活した。 森のバルコニーを読み始めた時はブツァーティのタタール人の砂漠を少し思い出したが、あれとは違い確実に物事が進んでいく様が描かれる。ただしそこの俯瞰した視点はなく、あくまで語…

なし

ゼルダの新作をやっていたら休日が終わっていた。。

クラウドコレクター

GWは実家に帰っていた。長期連休はいつも実家で本を読んで散歩してレコード屋に通ってハードオフで楽器を買って終わるわけだが今回も同じであった。 最近は電車で生まれた街に行って歩きまわって遊ぶのが好きでよくやっているのだが、草むらだった場所や田ん…

記憶のすべて置いて行けるか

連休だがバンド練。新曲を合わせる。 かなり難しい曲だが良い感じになりそう。 連休だからかいつもよりスタジオが混んでいた。少しずつ生演奏の音楽をやる人が戻ってきている感じがする。 ゲーム会社で働いているが自分はそこまでゲームをやらないし、ゲーム…

エドワードサイード

諸々の選択をするタイミングで悩む。 逃避行として大佐倉に行ったがyoutuber?の人が秘境駅として撮影したりしていてげんなりする。(本当に喋りながら撮るんですね。。) 夢でマンションに植物が侵入してきてエレベーターに乗ろうとしたら見たこともない虫が…

ruin city

福永武彦の廃市を大林宣彦が映画化しているが、久々に観ると幻想的な街の作りと物語の予感に満ちた序盤の10分くらいの流れと、それが単純な人間関係の矮小さに収集されていく感じが両方あって傑作とは言えないがたまにみかえしたくなる映画だ。 棚を漁ったら…

Back to the Forest

曲ができたので日曜日は気分転換に小旅行へ行った。 いつもおりる京成臼井をスルーしてその先の大佐倉駅へ。 鬱蒼とした森の匂いを久しぶりにかいだ。少し夏の匂い。 城跡の森の中を抜けて少しひらけた場所に出た瞬間、地元でしか感じたことがなかった、人間…

LEFT BANK

堀江敏幸の海岸忘日抄を読んでいる。流れる川にとどまって暮らすという矛盾は矛盾ではなく都市生活者の地下鉄とマンションの対比にも思える。 対岸は対岸として認識するためには右岸/左岸側のどちらかに属する必要があり、ビルなどから俯瞰するとその左右性…

Frontier/Line

本屋で"サバービアの憂鬱"が復刊していたのを見かけたので購入。 ついでに郊外つながりで堀江敏幸の"郊外へ"も一緒に買う。 雨の合間に本屋へ pic.twitter.com/LGg1knqXaR — Akira.Ikeguchi (@outtakesrecords) 2023年3月25日 郊外、フロンティア、サバービ…

How small a thought it takes to fill a while "LIFE"

なんとわずかな思考がその全体を満たすのか。 完璧な、隙のない、完全に、美しいものを見たことはない。 途中であり、一瞬の出来事で、未完成のままにある。 そういうものをこれまで見てきた。 その全体を満たすものが、一貫した思考によって貫かれているこ…

優雅で感傷的な日本野球

フィリップロスの素晴らしいアメリカ野球の原題はThe Great American Novel。 野球の話だがBaseballの文字はない。 野球=文学。 旧中川〜荒川沿いを自転車で走った。川沿いに行くと草の香りや春っぽい風が出ていて良い感じになれる季節。 荒川沿いでよくキャ…

-From the dark room-

最近はあまり映画を観るモードでは無かったが、カウリスマキがいくつか配信されていたのでお仕事三部作を観返している。昔、改装前の新文芸坐でカウリスマキのオールナイトで観て以来のものもあったが全部良い。というか、いくつかのシーンが他の映画と混同…

平行都市

磯崎新の"空間へ"とアドルフォ・ビフォイカサーレスの脱獄計画を平行して読んでいた。 脱獄計画の時間の飛び方(記憶の飛び方)が異様で死ぬ運命にある人物がまだ生きている時系列から飛んで一瞬だけ死んで、次の行で何もなかったように語り出すシーンに驚く。…

平日、点滅する信号、人のいない街

バートバカラックばかり聴いている。 改めてバカラックのオリジナルよりカバーや提供曲の入ったアルバムの方が思い入れが強いなと感じる。 ジムオルークがバカラックの曲を集めてカバーしたアルバムが最も好きで購入してから現在まで本当によく聴いている。 …

I know

磯崎新の”建築における「日本的なも」”が面白くってずっと興奮しながら読んでいる。 桂離宮の章で、京都が虚構的だというセンテンスがありとても共感する。 桂離宮 京都の御所を歩いた時、その空っぽさに驚いた。 一般で立入れる場所にあるものはただの砂利…

名前をつけて保存

ファイルをダウンロードすると名前をつけろと要求される。 DAWのファイルを保存するときもタイトルをつける必要がある。 読む本がなくなったので平日に錦糸町のくまざわ書店で志賀直哉の掌編集と磯崎新の建築における日本的なものを購入。どちらも面白い。 …

雨蛙

先週、我孫子に行った時に買った志賀直哉の短編がとても良くてまんまとハマってしまう。文章が簡潔で美しい。そして人が一人の人格として話の中にきちんと自立していて作者の作為ではなく、人物の思考によって物語が解釈される(ように見える)。ほんとうにな…

Walk Bird

友達が忙しいらしく週末のキャッチボールの予定がなくなった。 割とルーティーンを組んで生活しているので急に空き時間ができると散歩するくらいしかやることがない。(村上春樹だったか、毎朝きちんと起きて決まった時間に小説を書くみたいな話をしていて、…

WALKABOUT

散歩の量がだんだん増えてきている。 近所だけではなく、電車に乗って遠くの駅に行き、その街を散歩するのが楽しい。 千葉の真ん中付近(印西市、佐倉市あたり)の面白さに気づいてしまって 今は臼井と佐倉の間にある丘と森と田園と沼があるスポットを度々散歩…

ダリアの帯

最初に読書にはまったのはミステリの面白さに気づいた中学生の時だったが、 もう今ではミステリを読んでもそこまで楽しめなくなってしまった。 それは読む作品の問題ではなく、単純に自分の感覚が変わってきたからだと思っている。 本を読むということには視…

足元に流れる川

年末なので実家に帰っていた。 最近は長期休暇を長くとれるので、世間が休みに入る前に帰省し、生まれた街を散歩していた。 街を歩きながら、これまでいくつかの川のそばで暮らしてきたなとふと思った。 生まれた街の近くには富山の中心を流れる神通川の支流…

どこにもないところからの手紙

ウォンカーウァイを克服しようとしていくつか作品を見るが全部途中で断念。 岩井俊二を、もうきちんとした気持ちで見れないのと同じで、思春期にしか見れない映画のような感覚(それが悪いわけではない、とは思う) 代わりにホン・サンスをいくつか観返してい…

伊藤重夫-踊るミシンについて その1

-introduction- 伊藤重夫さんの踊るミシンという漫画のオリジナル版(のちに復刊版が出る)の帯には以下のような煽りが書かれている。 “踊る美少女 飛びまわる鳥男 7月の海岸” そしてこの漫画を読み終わった人たちはこの帯文に深く納得するだろう。なぜなら、…

夜と忘却の機械と音楽とサンタクロース

レヴィ=ストロースの著作を読みかえしている。 サンタクロースに関する論文を読んだことがなかったが中沢新一の訳で出ていたので購入。 構造主義は字面やwikiの流し読みだと、単なる文化の共通項の洗い出しのように見えてしまうがこの論文を読むとそのラディ…

J・Gバラードの砂漠の世界/ J・Lゴダールの並行宇宙の音楽

MTRという機械がある。マルチトラックレコーダー。トラック一つに音源を一つ記録できる。それを同時に再生すると一つの音楽となる。 音楽の録音の歴史の始まりは、当然ながら同時録音だった。マルチではなく一つのトラックに全ての音が記録される。 マルチト…

ノスタルジア、ウルトラ

タルコフスキーの映画術のエッセイが文庫で出たので購入。かなり込み入った、しかし真摯に映画を撮ろうとしている様が書かれていて少し感動する。 同じく文庫化されていたガルシア=マルケスの中短編を読んだらやたら良くて、諸々読み返している。ガルシアマ…

西荻窪にある架空の古い映画館では...

三年前に山梨の武川村という場所に行って川遊びをした。 武川村は写真家の深瀬昌久の別荘があった場所で、森山大道のエッセイの中にその別荘での夏の出来事が書かれたものがあって知った。 武川村に流れる釜無川で川遊びをした時、一緒に行った友達以外に人…

outward bound

エリックドルフィー で一番好きなアルバムはoutward bound(邦題:惑星)。 郊外へ向かう道がいつの間にか宇宙へとつながる。 引越しの多い人生だが、浅草近くのいまのマンションがこれまでで一番長く住んだ場所になってしまっていて最近すごく停滞感を感じる…

美しき冒険旅行

インプット過剰な状態を改善したくて去年から新しいバンドを始めた。 月一程度のスタジオ活動だが曲もできてきて楽しい。 始めた当初はBloodthirsty Butchersみたいな事を今やりたいと思ったのがきっかけだったが、その感覚はまだある。(というか日毎に強く…

GET ROUND IN THE SEASON

エリックロメール の四季の物語は結局すべてDVDで観た。 結果としては何度も観たくなる映画ばかりでDVDで買ってよかった。 とにかく恋の秋が素晴らしすぎで、興奮してしまった。 ここ数年で観た映画だと鎮西尚一のring my bellと同じくらい感動した(まったく…